SSFP12  施設現状報告ポスター常設展示  8月3日-4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
京大炉中性子発生装置(電子ライナック)の現状
Status of KURRI-LINAC
 
○阿部 尚也,高橋 俊晴,窪田 卓見,堀 順一,佐藤 紘一,阪本 雅昭(京大原子炉)
○Naoya Abe, Toshiharu Takahashi, Takumi Kubota, Jun-ichi Hori, Koichi Sato, Masaaki Sakamoto (KURRI)
 
京大炉中性子発生装置(ライナック)の現状を報告する。初めにライナックの利用状況だが、昨年のライナックの運転時間は一昨年の運転時間を上回る2,114.6時間であり、3年ぶりに2,000時間を上回る運転時間を記録した。中性子・照射・放射光いずれの区分の実験も運転時間が増加した。また利用件数においては相乗り無しで60件、相乗りを含めると64件と運転時間と同様に一昨年を上回った。 次に新規の利用方法だが、共同利用者からの要望により通常より電子数の少ないビーム(〜10^6n/cm2/s)の取り出しを試みた。ビームの取り出し方法は加速管にマイクロ波を導入する際に発生する暗電流を加速するもので、一定の成果を挙げることに成功した。 次に更新作業だが、一昨年のNo.2加速管後方のQマグネット設置に引き続いて、Qマグネット部及びQマグネット後方へのボタン電極配管設置が、産総研・清紀弘氏の支援の下に行われた。 最後にトラブルだが、No.2モデュレータの過電流によるマシン停止が発生した。過電流の原因はモデュレータPFNのコンデンサ内部の耐圧低下による放電であった。放電を起こしたコンデンサは1984年に行ったモデュレータ更新より使用し続けていたものであるため、根本的な原因は経年劣化であると考えられる。同じ使用条件のコンデンサが故障したものを含めて32個あり、故障の頻発が予想されるため、今後はコンデンサの全面交換が急務となる。