SSFP06  施設現状報告ポスター常設展示  8月3日-4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
小型線形加速器LEENAにおけるテラヘルツ光源開発
Development of Terahertz Light Sources at Linear Accelerator LEENA
 
○橋本 智,陳 彩華,川田 健二(兵庫県立大高度研),李 大治(レーザー総研),天野 壮,宮本 修治(兵庫県立大高度研)
○Satoshi Hashimoto, Sayaka Chin, Kenji Kawata (LASTI, Univ. of Hyogo), Dazhi Li (Inst. of Laser Tech.), Sho Amano, Shuji Miyamoto (LASTI, Univ. of Hyogo)
 
兵庫県立大学ニュースバル放射光施設内にある小型線形加速器LEENAは現在、15MeV相対論的電子ビームを用いた広帯域(0.1-10THz)、波長可変、高ピークパワーのテラヘルツ光源の開発およびその産業利用を目指して、加速器の改修を行なっている。テラヘルツ光源としてシンクロトロン放射光の他に、Smith-Purcell放射の観測に成功した。SP光の放射角度依存性を計測し、理論値とよく一致することを確認した。またMartin-Puplett干渉計を構築し、SP光スペクトルを計測した。0.11-0.17THz帯の検出器で計測したSP光の強度は数μワット程度であったが、これは電子ビームバンチ長(〜30ps)がテラヘルツ光の波長よりも長く、インコヒーレント光であるためである。既設のアルファ電磁石による短バンチ化により数桁強度の高いコヒーレント光の発生が可能になるが、いくつかの不具合(電子ビームの発散、電子銃熱陰極の据付時の歪み)があったために、短バンチ化が不十分であった。これらの問題の改善を図りつつ、コヒーレント光発生を目指している。コヒーレントSP光は電子ビームのバンチ長によって放射角度分布が異なる為、電子ビームのバンチ長モニターとしても期待できる。今後のバンチ長計測実験に向けて数値シミュレーションを行った。平成25年度は、新ソレノイドコイルによるビーム輸送の改善、短バンチ化によるコヒーレント光の発生、およびテラヘルツ光ビームラインの建設を予定している。