SSFP05  施設現状報告ポスター常設展示  8月3日-4日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
J-PARCリニアックの現状
Present stats of the J-PARC linac
 
○小栗 英知(J-PARCセンター)
○Hidetomo Oguri (J-PARC center)
 
 J-PARCリニアックでは現在、ビームユーザに対するビーム利用運転を行うとともに、これと並行してビームパワー増強計画を進めている。ここ1年間のビーム利用運転では、リニアックは深刻なトラブルは無く比較的安定に動作している。ビーム電流については、今までは17mAで運転していたが、現在では約19mAを基本としている。ビーム電流増加の影響でイオン源のフィラメントが運転中に一度断線したが、これにより断線の予兆や寿命に関する知見が得られた。DTL(Drift Tube Linac)2号機用のクライストロンの放電頻度が上昇したため、ビーム利用運転後の1日間のメンテナンス時に新品と交換して対処した。ロシアINRと共同で開発したバンチシェープモニタについては、現在、リニアックの181MeVビームを使って動作試験を行っている。リニアックビーム増強計画においては、電流を50mA、エネルギーを400MeVにそれぞれ増強する。50mA対応のイオン源は高周波駆動型を採用する予定で、現在、試作器にて60mA 以上のビーム電流を確認している。50mA対応のRFQ(Radio Frequency Quadrupole)リニアックは、平成24年度末に製作を終え、現在、専用テストスタンドによるビーム加速試験の準備中である。400MeV加速を行うACS 空洞も平成24年度末に量産を終え、現在、ハイパワー試験の準備を進めている。本学会では、ビーム利用運転におけるいくつかのトピックスとビーム増強計画の進捗状況について報告する。