SAP117  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
廃炉にXバンドライナック中性子源設置で福島分析研究
X-band linac neutron source at Decommissioned Yayoi for Fukushima Analysis
 
○上坂 充(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻),田儀 和浩(東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻),土橋 克弘,藤原 健(東京大学大学院工学系研究科原子力専攻),山本 昌志((株)アキュセラ)
○Mitsuru Uesaka (University of Tokyo, Nuclear Professional School), Kazuhiro Tagi (University of Tokyo, Department of Nuclear Engineering and Management), Katsuhiro Dobashi, Takeshi Fujiwara (University of Tokyo, Nuclear Professional School), Masashi Yamamoto (Accuthera Inc.)
 
高速中性子源炉“弥生”廃止措置後、旧炉心内部に、Xバンド30MeV電子ライナック中性子源を設置して、中性子理工学研究を継続する。廃炉後原子炉施設は解消するが、核物質使用施設であり続ける。しかも炉室、付随実験室等、新規の加速器・レーザー・放射線源の先進ハードウェアシステムを導入できるスペースがある。既存のXバンド(11.424GHz)30MeV~1kW電子ライナック(現コンプトン散乱X線源)を炉心内部に移設する。高出力用に入射部を、電子銃を20keV熱電子銃・進行波型バンチャに変更する。中性子強度は最大1012n/sec、電子マクロバルス幅(ミクロパルス幅2ps)は100ns-1ms, 繰り返し50ppsである。利用についてはまず、福島F1における今後の燃料デブリ分析の高精度化に貢献するべく、U, Pu ,Am,Cm等の核データの高精度取得を行う。特にPuの中性子エネルギー0.1-10eVでの断面積の、現状の~5%精度を向上させる。炉室内5m、隣接室を活用した10mのTOFラインを整備する。試料はグローブボックスに設置し、transmission計測から行う。シンチレーション検出器として大面積Ce:LiCAF (無機結晶シンチレータ) を採用して高感度化、 時間分解能100nsの高速応答を実現させる。中性子発生ターゲット・モデレータは100nsの短パルスを実現するべく最適設計を実施中である。将来、加速器駆動炉、消滅処理のための核データ分析も視野に入れたい。