SAP098  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
KU-FELにおける電子ビーム安定化
Study on Electron Beam Stabilization in KU-FEL
 
○奥村 健祐,全 炳俊,犬飼 元晴,栂村 勇輔,三島 健太,KONSTANTIN TORGASIN,NEGM HANI,OMER MAHAMED,吉田 恭平,紀井 俊輝,増田 開,大垣 英明(京都大学 エネルギー理工学研究所)
○Kensuke Okumura, Heishun Zen, Motoharu Inukai, Yuusuke Tsugamura, Kenta Mishima, Torgasin Konstantin, Hani Negm, Mahamed Omer, Kyohei Yoshida, Toshiteru Kii, Kai Masuda, Hideaki Ohgaki (IAE, Kyoto University)
 
FELを安定に発振させるには電子ビーム軌道を安定化させることが重要である。我々はKU-FELに4つの電極をもつBPM(Beam Position Monitor)を導入した。これにより、電子ビームの位置を非破壊で計測することが可能となった。また、計測された位置情報を元にフィードバック制御を導入する事で、水平方向と垂直方向の電子ビーム位置変動の大幅な低減と、発振するFELのパルスエネルギーの安定性の向上に成功した。しかし、フィードバック制御により安定化は可能となったものの、電子ビームの水平方向位置変動の主要因であるエネルギー変動の原因は明らかになっておらず、FEL安定化の根本的な解決には至っていない。上記のエネルギー変動はRF電子銃の共振空胴内の電場変動によって発生し、その電場変動を起こす要因としては空胴温度変化やRF電子銃に入力されるマイクロ波の強度変化、ビーム負荷の変動が挙げられる。本研究では、まず電子ビームのエネルギーと空胴温度の関係を調べ、明らかな相関を観測するとともに、より大きな変動要因が有る事も明らかとなった。そこで、さらに調査を進めたところ、その原因がRFサーキュレータの温度変化によるものであると判明した。本発表では、BPMによるフィードバックシステム及び、エネルギー変動の原因について詳細に報告すると共に、今後の方策についても議論する予定である。