SAP084  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
J-PARC MR加速器の放射化コントロールのための残留線量率測定
Residual dose rate monitoring for future machine activation control at J-PARC MR
 
○佐藤 健一郎,佐藤 洋一,魚田 雅彦,白形 政司,吉井 正人(KEK)
○Kenichirou Satou, Yoichi Sato, Masahiko Uota, Masashi Shirakata, Masahito Yoshii (KEK)
 
J-PARC MR加速器では最大240kWビームをT2K実験に供給している。ビーム強度を上げる際には、ビームロス量の低減化を図り、加速器装置そのものを過大に放射化させないことが重要である。リングの全周に配置した計216本の比例係数管式ビームロスモニタ(BLM)は、ビームが電磁石などの機器に衝突する際に発生する放射線を観測するが、その信号強度からビームライン上のビームロス分布を精度よく推定することは、反応過程の複雑さ、衝突する機器の構造の複雑さから困難である。しかし加速器運用上はビームロス量よりむしろビーム停止後の機器表面線量率のほうが重要である。BLMの信号強度と機器表面線量率との相関を調査することのほうがより本質的であるため、ビーム運転を停止する短期メンテナンス時には、サーベイメータで機器の表面線量率を詳細に測定している。サーベイ結果と運転パラメータとの相関を調べ、次の運転にフィードバックしている。現在、最も空間線量率が高いコリメータエリアでは、その線量率の時間的な推移も調査している。将来の放射化レベルを推定するためには、その減衰特性を調べることが重要だからである。測定結果から許容されるビームロス量を推定し、運転に適切な制限を与えることはJ-PARCのような大強度ハドロン加速器の運用上、本質的に重要であると思われる。本発表ではこの取り組みについて紹介する。