SAP083  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
SuperKEKB入射器へ向けたBPMデータ収集系アップグレード (II)
BPM DAQ System Upgrade for SuperKEKB Injector Linac (II)
 
○佐藤 政則(高エネ研),工藤 拓弥,草野 史郎(三菱電気システムサービス),宮原 房史,諏訪田 剛,古川 和朗(高エネ研)
○Masanori Satoh (KEK), Takuya Kudou, Shiro Kusano (MELSC), Fusahi Miyahara, Tsuyoshi Suwada, Kazuro Furukawa (KEK)
 
 SuperKEKB入射器では,大電荷量の電子および陽電子ビームを低エミッタンスに保ちつつ安定に輸送し,リングへの高い入射効率を実現することが要求されている。低エミッタンス化のためのダンピングリングは,陽電子ビームにのみ設けられるため,とりわけ,大電荷量電子ビームの低エミッタンス輸送は,入射器アップグレードの主要課題である。この課題実現のためには,精密なビーム位置測定および安定制御が不可欠となる。 現在,KEK電子陽電子入射器では,100台の四電極ビーム位置モニタを,23台のデータ収集系を用いたビーム位置計測をおこなっている。現システムを用いたビーム位置測定精度は50 μm程度であり,SuperKEKB入射器での目標値10μm以下には遠く及ばない。このため,位置測定精度向上を目指したデータ収集系の開発を進めている。新システムでは,帯域制限フィルタを基板としたアンダーサンプリング方式を採用し,現在までに,20 μmの測定精度を達成している。現在,目標性能である10 μm以下のビーム位置測定精度を目指し,さらなる改良を進めている。本稿では,SuperKEKB入射器へ向けたビーム位置モニタ用データ収集系の開発に関する現状および将来の展望について詳細に報告する。