SAP082  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
極短バンチ計測用2Cell型RF-Deflectorに関する研究
Study on 2 cell rf-deflector cavity for ultra-short electron bunch measurement
 
○高橋 猛之進,西村 祐一,西山 将大,坂上 和之,鷲尾 方一(早大理工研),高富 俊和,浦川 順治(高エネ研)
○Takenoshin Takahashi, Yuichi Nishimura, Masahiro Nishiyama, Kazuyuki Sakaue, Masakazu Washio (RISE), Toshikazu Takatomi, Junji Urakawa (KEK)
 
早稲田大学では1.6Cellフォトカソード電子銃で生成したビームを用いて応用実験を行っているが、そのためにはビームの物理パラメータの測定が不可欠となる。そこで新たにバンチ長測定システムの確立を目指してRF-Deflectorに関する研究を行ってきた。RF-Deflectorによるバンチ長測定は共振させた電磁場により電子を掃引し、バンチの縦方向プロファイルを横方向プロファイルとして取り出すことで実現され、数100fsという極短バンチの測定も原理的には可能である。RF-Deflectorの設計は3次元電磁場解析コードHFSS、性能評価は電子ビームトラッキングコードGPTを用いて行った。高い磁場強度を得るために直方体の形状を採用したが、セットアップ上の都合からRF-Deflectorへの供給電力は750kW という条件があり、1Cell型の設計では数100fsのバンチ長測定に必要な磁場強度は得られなかったため、最終的に2856MHzでTM120、πモードとして動作する2Cell型のRF-Deflectorを設計した。また、GPTの結果から設計したRF-Deflectorで200fs程度のバンチ長測定が十分可能であることを確認した。現在、高エネルギー加速器研究機構と共同でRF-Deflectorの共振周波数調整や導波管との結合調整を完了させて製作工程を終了した段階にあり、早稲田大学の施設にてバンチ長測定システムを構築する準備を進めている。本発表では研究の現状と今後の予定について報告する。