SAP076  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
J-PARC MRにおけるビーム不安定性抑制のための八極電磁石
Octupole Magnets for the beam instability suppression in J-PARC MR
 
○五十嵐 進,ファン カンジュン,染谷 宏彦(高エネルギー研)
○Susumu Igarashi, Kuanjun Fan, Hirohiko Someya (KEK)
 
大強度陽子加速器(J-PARC)の主リング(MR)で発生するビーム不安定性を抑制するための八極電磁石の設計を行った。MRではビーム強度が上がるにつれて、横方向のビーム不安定性が観測されている。KEK-PSで使われていたブロック鉄でできた八極電磁石を使い、ビーム不安定性を抑制できることがビーム試験によって確認された。しかし八極磁場により力学口径が小さくなり、ビームロスが発生することも分かった。力学口径を補正するための八極電磁石を更に設置することにより、ビームロスの改善が認められた。ただし、その改善も完全ではなく、八極磁場をかけている時間は力学口径のためにある程度のビームロスがある。このビームロスをより少なくするために、八極磁場をビーム入射直後の5 ms 程度の時間のみのビーム不安定性の一番気になる時間で使用し、それ以外の時間は八極磁場をオフできるように、速いパターンに追従可能な八極電磁石の設計を行った。