SAP073  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂2階ロビー 13:00 - 15:00
SuperKEKBリングの精密アライメントのための、GPSを用いた地上測量網システムの構築と性能評価
GPS Network for Super KEKB Main Ring
 
○飯沼 裕美,大澤 康伸,増澤 美佳(KEK),三島 研二,阿部 直宏,有山 至高,宮坂   正樹(PASCO)
○Hiromi Iinuma, Yasunobu Ohsawa, Mika Masuzawa (KEK), Kenji Mishima, Naohiro Abe, Takashi Ariyama, Masaki Miyasaka (PASCO)
 
SuperKEKBに於けるナノサイズの電子・陽電子ビームを高精度に制御するために、ビームラインの電磁石のアライメント網の精度管理は非常に重要であり、精度100μmを目指している。測量網の時間変動の把握を確実に行うために、地下11m、1周約3キロのトンネル内の7ヶ所の点を、地上測量としても利用できるようにGPSを設置し、地上の測量網システムを構築した。2012年8月より本格運用を開始、24時間モニタリングを続けている。 本発表では、3つの項目について述べる。第一に、本格運用から開始後1年間のデータ解析をまとめる。定点ポイント間の斜距離(最大1km程度の相対距離)は、年間を通しサブミリで安定している。又、KEKから約5キロ離れた国土地理院のGPS基準点に対する固定点座標も観測しており、季節変動などについて報告する。第二に、本システムの客観的評価を行うために、SuperKEKBの定点計測ポイントを、トータルステーションで精密測量した際の比較検討結果を紹介する。また、同時期に行った一等水準点を使った絶対水準測量結果も紹介する。これはKEKB時代から問題になっている、リング付近の地盤沈下についての長期的な追跡調査の第一歩として行った。第三に、地下11mの地下測量網と、地上測量網を関係づける手法を紹介し、本システムが現在達成している測量網の精度と、今後の改良にむけた方針を議論する。