SAP041  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
理研28 GHz超伝導ECRイオン源からのX線測定
Measurement of X-ray from RIKEN 28 GHz Superconducting ECR ion source
 
○大関 和貴,日暮 祥英,大西 純一,中川 孝秀(理研仁科センター)
○Kazutaka Ozeki, Yoshihide Higurashi, Jun-ichi Ohnishi, Takahide Nakagawa (Nishina Center, RIKEN)
 
多くの実験施設において、大強度のRIビームを供給するための外部イオン源として、超伝導ECRイオン源(SC-ECRIS)が製作されている。近年、イオン源内のプラズマから放射される制動X線がSC-ECRISの液体ヘリウムに熱負荷を与えることが報告された。この事実は、イオン源内に導入できるRFパワー、ひいてはビーム強度が冷凍機の冷却能力によって制限されうることを示唆する。 この問題点の一つの回避方法として、イオン源のパラメーター調整によって制動X線の放射量や放射方向を調節することが挙げられる。理研28 GHz SC-ECRISにおいて、NaIシンチレーションカウンターをイオン源の下流軸方向に設置し、ミラー磁場の形状を様々に変化させながら124Xe20+のビーム強度ならびに制動X線の測定を行った。Maxwell分布を仮定して、得られたエネルギースペクトルより制動X線のスペクトル温度および放射量(計数率)を導出した。その結果、動径方向の磁場を強くすることによって、ビーム強度が増大するとともに制動X線の放射方向が軸方向に集中することが分かった。 本発表では、測定結果について報告し、制動X線による液体ヘリウムへの熱負荷を抑える方策について考察する。