SAP036  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
横方向電場を組み合わせた遅い取り出しビーム運動量変化の低減
Reduction of momentum variation of a slow extracted beam combining with transverse RF field
 
○藤本 哲也(加速器エンジニアリング),山田 聰,金井 達明,想田 光(群馬大学),田久保 篤(加速器エンジニアリング),野田 耕司(放医研)
○Tetsuya Fujimoto (AEC), Satoru Yamada, Tatsuaki Kanai, Hikaru Souda (GHMC), Atsushi Takubo (AEC), Koji Noda (NIRS)
 
群馬大学重粒子線医学センターでは平成22年から最大400MeV/nのカーボンビームを使った治療照射を開始している。本施設ではシンクロトロンから3次共鳴を利用した遅い取り出し法により約1秒かけてビームを取り出しているが、3次共鳴現象を引き起こすために有限のクロマティシティーのもとでRF周波数を変化させる方法を採用している。RF周波数の変化幅から現状の取り出しビーム運動量変化を求めると1秒間で約0.4%あり、HEBTでの軌道変動の原因になるため、これを低減させる研究に取り組んでいる。ここではビームに対して横方向にチューンの小数部分×周回周波数となる電場を印加し、位相空間上でホーロー状分布を形成させてからリングのメインRFをスイープする方法を検討している。これはセパラトリクス上とビーム中心のチューンの違いを利用したもので、シミュレーションにより取り出しビームの運動量変化を3割ほど低減できる結果を得ることができた。ここではシミュレーションおよび検証実験の結果について報告する。