SAP035  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
AC Skew Q を用いた差共鳴無しの新しいX-Y結合生成法と高速切替による応用
X-Y Coupling Generation with AC/Pulsed Skew Quadrupole and its Application
 
○中村 剛(高輝度光科学研究センター)
○Takeshi Nakamura (JASRI/SPring-8)
 
蓄積リングにおいて、水平ー垂直結合(x-y結合)を、差共鳴を用いずに、フルカップルの強さまで発生させる新しい機構として、AC駆動されたSkew Q磁石を用いる手法を提案している[1]。通常、x-y結合をフルカップルまで駆動するためには、差共鳴、すなわち、水平、垂直のチューンの小数部を等しくし、水平、垂直のベータトロン周波数を合致させる必要があるが、この場合、チューンに対して強い制限が加わる。これに対して、水平、垂直のベータトロン周波数が互いに異なっていた場合であっても、Skew Q 磁石を、水平、垂直のベータトロン周波数の差の周波数で駆動すれば、結合を駆動する周波数を互いの共鳴周波数に変換でき、x-y結合を、フルカップルまで駆動することが可能となる。これにより、水平、垂直のチューンの自由度をもたせることが可能となり、また、この Skew Q 磁石は触媒のような働きを引き起こすため比較的弱いものでよく、高速切替が可能なデバイスの製作が可能である。ここでは、このようなデバイスを用いたいろいろな応用を展開する。 [1] 中村剛、"差共鳴によらないX-Y結合生成とUSRへの応用"、日本物理学会第68回年次大会予稿集 (2013)。