SAP026  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
SACLA真空封止アンジュレータ磁場測定用薄型ホールプローブの開発
Development of thin Hall probes for field measurement of SACLA in-vacuum undulators
 
○長谷川 照晃,田中 隆次(理研 放射光科学総合研究センター),鏡畑 暁裕(高輝度光科学研究センター)
○Teruaki Hasegawa, Takashi Tanaka (RIKEN SPring-8 Center), Akihiro Kagamihata (JASRI)
 
SACLAやSPring-8の標準的な真空封止アンジュレータは、磁場周期の短縮化を可能にし、X線領域におけるレーザー発振や高輝度光の発生に必要な電子ビームのエネルギーを低減するという大きな長所を有する。一方で、従来の石定盤に基づく磁場測定手法を適用できないという欠点が存在する。この問題を克服するため、新たな磁場測定システム(SAFALI)を開発し、これを用いて磁石列の脱着による影響や、長期運転後の永久磁石減磁などによる磁場性能の変化を監視するとともに、必要に応じて磁場の再調整を行っている。現在、使用している磁場センサーは、厚さ1mmのホール素子であり、素子自体の傾斜やインピーダンス軽減のために磁石列を覆う銅フォイルの浮きによる空間的制限から、測定できる最少ギャップは3mm程度に留まっている。 SACLAでは、その光源性能を高めるため、真空封止アンジュレータのさらなる狭ギャップ化を計画している。運用するギャップの最小値を現状の3.5mmから2.5mmまで狭くすることにより、レーザーパルスエネルギーの増強と同一ビームエネルギーでの可変波長の広帯域化が見込まれる。将来的に、最小ギャップ2.5mm以下も視野に入れた場合、SAFALIシステムの高精度化とともにホールプローブの薄型化が必須となる。そこで、厚さ0.5mmの薄型ホールプローブの開発を行った。 本稿では、新しく採用したホール素子の特性比較とアンジュレータの磁場測定した結果について紹介する。