SAP025  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
ハイブリッド型超伝導3極ウィグラーにおけるエッジ放射の数値計算による検討
Numerical investigation of edge radiation of a hybrid superconducting three pole wiggler
 
○江田 茂,岩崎 能尊,高林 雄一,金安 達夫(九州シンクロトロン光研究センター)
○Shigeru Koda, Yoshitaka Iwasaki, Yuichi Takabayashi, Tatsuo Kaneyasu (Saga Light Source)
 
直線部で隔てられた二つの偏向磁石の端部を高エネルギー電子が通過することによって発生する放射光(エッジ放射)は、その単純な磁石構成にも関わらず長波長域で高輝度が得られることから興味深い放射としてこれまで様々な研究が行われてきた。二つの偏向磁石間距離をゼロから増大させると、両偏向磁石からの放射光が同一放射源とみなされなくなる特徴的距離formation lengthが存在し、この距離より磁石が十分離れた条件でエッジ放射は明瞭となる。放射光施設SAGA-LSにおいてハードX線発生を目的に開発されたハイブリッド型3極ウィグラーSAGA-LS-SCWは超伝導メインポール1台、常伝導サイドポール2台から構成され、クライオスタットの構造上、磁極間距離が大きく、メインポール-サイドポール間距離はformation lengthを超える。加えてウィグラーが設置された直線部上下流の偏向磁石間では典型的な2偏向電磁石によるエッジ放射の条件を満たしている。そのためウィグラー下流では固有の複合的なエッジ放射が観測される可能性がある。現在、その可能性を検討するため数値計算を進めている。これまでの計算で長波長域ではウィグラー各磁極からの放射光と上下流の2偏向磁石によるエッジ放射の単純な重ねあわせでないことがわかってきた。発表ではこれまでに行った放射光スペクトル、空間分布等放射特性計算の結果を報告する。