SAP024  ポスターセッション1  8月3日 豊田講堂1階アトリウム 13:00 - 15:00
コンパクトERL用ビーム位置モニターとスクリーンモニターの開発
Development of Beam Position Monitors and Screen Monitors for Compact ERL
 
○高井 良太,帯名 崇,谷本 育律,本田 融,野上 隆史,飛山 真理(高エネルギー加速器研究機構)
○Ryota Takai, Takashi Obina, Yasunori Tanimoto, Tohru Honda, Takashi Nogami, Makoto Tobiyama (KEK)
 
現在、KEKでは今年3月末に完成したコンパクトERL(cERL)入射部のビームコミッショニングと並行し、残る周回部の建設準備を進めている。cERLでは様々なビーム診断機器が使用されるが、本発表ではそれらの中でも最も基本的で重要な役割を担うビーム位置モニター(BPM)とスクリーンモニター(SCM)の設計思想、及び実際に入射部コミッショニングで使用した結果について報告する。 BPMには4電極タイプのストリップライン型BPMを採用した。ERLでは、エネルギー回収時に加速位相に同期したビームと減速位相に同期したビームを個別に切り分けて検出する必要があるため、ストリップラインの電極長はRF周波数の2倍である2.6GHzで感度が最大となるよう最適化されている(一部のBPMを除く)。また、別途開発したガラス封止型フィードスルーを使用することにより、時間応答の高速化を図っている。一方、SCMには3段式のエアシリンダーを採用し、2種類のスクリーン(YAG,OTR)をビームのエネルギーや強度によって使い分けられる構造にした。スクリーンを使用しない場合には両端のビームダクトと滑らかに繋がるRFシールドがビームライン上に収まる仕組みとなっており、ビームが誘起するウェイク場の影響を低減する工夫もなされている。