SAOTP1  合同セッション  8月3日 豊田講堂ホール 10:10 - 10:40
ATF の最終収束試験における微小ビームサイズの達成
Achievement of Small Beam Size in Final Focus Test at ATF
 
○久保 浄,奥木 敏行(高エネ研)
○Kiyoshi Kubo, Toshiyuki Okugi (KEK)
 
ATF (Accelerator Test Facility) では、リニアコライダーの最終収束技術の実証実験として、ダンピングリングから取り出される超低エミッタンスの電子ビームをILC(国際リニアコライダー)と同じLocal Chromaticity Correction という方式を用いて収束させる研究(ATF2 Project)を行っている。ATF2ビームラインはILCの最終収束とビーム光学的には同じように設計されており、ビームのエネルギー幅(約0.1%)と色収差(Natural Chromaticity 約10,000)がほぼ同じで、許される磁石の誤差などもほぼ同程度である。昨年12月までに、70 nm 以下という微小なビームサイズを低電荷で確認することができ、さらにその後の実験でこの程度のビームサイズを達成するための調整手順をほぼ確立することができた。ただし、ビームのエミッタンスと光学系の設計から期待される37 nmのビームサイズ確認には至っておらず、又、バンチ当たりの電荷を増加させるとビームサイズが増大してしまうという問題がある。本報告では、ビーム調整の方法、ビーム収束を妨げる要因についての検討、ビームサイズ測定上の諸問題、今後の計画について述べる。