SAOT02  電子加速器1  8月3日 豊田講堂ホール 15:30 - 15:50
東北大学電子ブースターシンクロトロン入射用90MeVリナックの開発状況
Status of a new 90MeV injector linac for the electron booster synchrotron at Tohoku University
 
○柏木 茂,日出 富士雄,南部 健一,柴崎 義信,武藤 俊哉,長澤 育郎,高橋 健,浜 広幸(東北大学電子光理学研究センター)
○Shigeru Kashiwagi, Fujio Hinode, Kenichi Nanbu, Yoshinobu Shibazaki, Toshiya Muto, Ikuro Nagasawa, Ken Takahashi, Hiroyuki Hama (Electron Light Science Centre, Tohoku University)
 
東北大学電子光理学研究センターの電子加速器は東日本大震災により甚大な被害を受けた。特に300MeV電子リナックの高エネルギー部分は被害が大きく修復が困難であったため、1.2GeV電子シンクロトロンの入射器として新たに90MeVリナックを建設した。90MeV電子リナックは、熱陰極RF電子銃と2本の3m長Sバンド加速管、ビーム輸送系で構成されている。我々がこれまで開発を行ってきた独立2空洞型のRF電子銃を電子源としており、低エミッタンスの短パルス電子ビームを生成することが可能である。2012年10月末から2013年1月の約3カ月間で加速器の設置とRFエージングを完了し、2013年1月29日にエネルギー90MeVまでのビーム加速に成功した。その後、入射用リナックのコミッショニングは加速器建屋内の他の復旧工事のために断続的に行われ、2013年5月より電子シンクロトロンへの本格的なビーム入射試験を開始した。本発表では、リナックから電子シンクロトロンへのビーム輸送ラインで行ったビーム特性計測の結果や入射のためのオプティクスマッチングなどの開発状況について報告する。