SAOS12  加速器土木/加速器応用・産業利用1  8月3日 シンポジオン会議室 19:00 - 19:20
新型透過型電子顕微鏡のための超伝導高周波加速空洞の開発
The Development of Superconducting RF Cavity for A New Type of Transmission Electron Microscope
 
○東 直(東大大学院),古屋 貴章,舟橋 義聖,上野 健治,沢辺 元明,西脇 みちる,阪井 寛志,道園 真一郎,山本 将博,榎本 收志,神谷 幸秀(高エネ研),栗木 雅夫(広大ADSM),山下 了(東大ICEPP)
○Nao Higashi (The Univ. of Tokyo/Graduate School of Science), Takaaki Furuya, Yoshisato Funahashi, Kenji Ueno, Motoaki Sawabe, Michiru Nishiwaki, Hiroshi Sakai, Shinichiro Michizono, Masahiro Yamamoto, Atsushi Enomoto, Yukihide Kamiya (KEK), Masao Kuriki (Hiroshima Unv./ADSM), Satoru Yamashita (The Univ. of Tokyo/ICEPP)
 
現在、KEKでは、超伝導高周波加速方式を採用した透過型電子顕微鏡(TEM)の開発を行っている。これは、従来のTEMで用いられてきた静電加速方式の加速限界を超え、コンパクトなサイズでより高い透過力を備えたTEMの実現を目指すものである。さらに、世界最高の位置分解能の達成や、電子源として光陰極電子銃を採用することにより、過渡現象を高時間分解能で観察できる可能性も持つ。 高位置分解をTEMで実現するには、色収差を小さくするためエネルギー分散を抑える必要がある。従って我々は、加速の基本モードであるTM010と、その2倍高調波であるTM020が同時に励起できるような、ユニークな形状を持つ加速空洞を設計した。さらに超伝導空洞を採用することにより、フィードバックが容易なCW運転を可能とした。ビーム・ダイナミクスのシミュレーションでは、共振モードの位相と振幅の最適化により、エネルギー分散は1モード加速の2.04e-4から3.68e-5まで抑えられることがわかっている。現在、この原理実証のために、従来型の300kV-TEMに新たな光陰極電子銃と2モード加速空洞を置き換えたプロトタイプTEMの開発が行われている。既に空洞、接続部は製作済みで、電子銃及び空洞のビーム試験を今年度に予定している。また、空洞の縦測定(Cold Test)の結果、その設計値はほぼ達成されていることが確認されている。今回は、主にこの2モード空洞の製作と性能評価について報告する。