SAOS05  加速器理論・ビームダイナミクス/ハドロン加速器1  8月3日 シンポジオン会議室 16:30 - 16:50
KEKデジタル加速器におけるイオン源からの直接入射ビームの加速
Acceleration of directly-injected beam from the ion source to the KEK digital accelerator
 
○由元 崇(東工大),茨田 優次(東京都市大),新井 輝夫(KEK),劉 星光(東工大),Leo Kwee Wah,安達 利一,川久保 忠通,門倉 英一,岡村 勝也,高山 健(KEK),岡田 喜仁,浅尾 博之(NEC)
○Takashi Yoshimoto (Tokyo Institute of Technology), Masatsugu Barata (Tokyo City University), Teruo Arai (KEK), Xingguang Liu (Tokyo Institute of Technology), Kwee Wah Leo, Toshikazu Adachi, Tadamichi Kawakubo, Eiichi Kadokura, Katsuya Okamura, Ken Takayama (KEK), Yoshihito Okada, Hiroyuki Asao (NEC Network-Sensor)
 
KEKデジタル加速器は,既存の高周波加速とは異なり,誘導加速型のシンクトロンである.1対1のパルストランスである誘導加速セルに発生するパルス電圧を用いて加速する.この種の加速器の利点の一つとして,0~1MHz程度にわたる広範なビーム周回周波数においてビーム加速が可能であることが挙げられる.このことは,前段加速器を用いずにイオン源からリングへ直接ビームを入射して高エネルギー領域にまで加速できるだけでなく,水素イオンから金イオンまでのあらゆるイオンを一台のシンクロトロンで加速できることも意味する.スイッチング電源のゲート回路のON/OFFにより誘導加速セルを駆動するが,ゲート信号は磁場のランピングパターンから求まる必要な加速電圧を与えるように予めプラグラムされておりFPGAから出力される.その際,実磁場とFPGAによるゲート信号とをタイミングよく合わせることが不可欠となるが,モニターから得られるビームの挙動から直接そのタイミングを精度よく知る手法を開発した.その結果,我々は重イオン(質量電荷比A/Q=4)をもちいて82kHz~1.02MHzまでの広範な周波数領域における加速に試験段階ながら成功した.本発表において,その結果を詳細に報告する.