MOOT06  加速器技術(粒子源/レーザー1)  8月5日 豊田講堂ホール 11:50 - 12:10
レーザー駆動誘電体加速器の設計
Designing of the laser driven dielectric accelerator
 
○小山 和義(高エネ研),松村 陽介,上坂 充(東大・原子力),吉田 光宏,夏井 拓也(高エネ研),アイミアディング アイミドラ(コッククロフト研)
○Kazuyoshi Koyama (KEK), Yosuke Matsumura, Mituru Uesaka (U. Tokyo), Mituhiro Yoshida, Takuya Natsui (KEK), Aimidula Aimierding (Cockcroft Institute)
 
透過型回折格子を用いた、レーザー駆動誘電体加速器の設計を進めている。これまでは、解析的に電子加速の条件を求めて結果に関して発表したが、実際には回折・干渉や反射の影響があるので、設計に当たっては電界分布は数値計算で求める必要がある。FDTD(時間領域差分法)の一つであるMeepコードを用いて電界分布の計算を行った。 回折格子内の回折・干渉や反射の影響によって、軸方向電界強度はバイアスがかかった様な分布になり、最高加速勾配は約600MeV/mであり、これは理想的な場合の約75%である。電子の速度が遅い場合でも、加速勾配は有限の値を持つ。つまり、加速距離が若干延びる事(1mm程度)を許せば、速度整合条件から外れた遅い電子でも加速が可能である。回折格子の段差の大きさは波長の90%が最適であり、この結果は解析解と一致する。 空間電荷による電子バンチの広がりと加速チャンネルから求めた電荷量は、10-100fCである。 駆動用レーザーのエネルギーを小さくするためには、電子バンチの周辺だけにレーザー電界が存在するよう、位相を合わせながらレーザーを分割照射する。 1MeVの電子を得るためには、加速長が2-3mm、加速時間は10-50ps、レーザーを20分割するとパルス当たりのエネルギーは15mJでパルス幅は1-5psと見積もられる。