MOOS13  加速器技術(電磁石)/加速器応用・産業利用2  8月5日 シンポジオン会議室 15:10 - 15:30
J-PARC主リングにおける補償用キッカー電磁石試験機の特性試験
Measurement of a Prototype Compensation Kicker Magnet in J-PARC Main Ring
 
○福岡 翔太(筑波大学),松本 浩,石井 恒次,樊 寬軍,杉本 拓也(高エネルギー加速器研究機構)
○Shota Fukuoka (University of Tsukuba), Hiroshi Matsumoto, Koji Ishii, Kuanjun Fan, Takuya Sugimoto (KEK)
 
J-PARC 主リングの入射キッカー電磁石の励磁電流パルスには立ち下がり部分にテール磁場が存在する。このテール磁場がハイパワー運転時のビーム損失に繋がるClothed Orbit Distribution (COD) の増加を引き起こしている。これを補正するために、速い立ち上がりのキッカー電磁石システムを開発している。パルス電源でテール磁場の波形を再現し、蹴られたビームバンチのみを逆方向にキックすることで軌道を補正する。電磁石には広帯域を得るために分布定数型を採用した。電磁石は真空中で動作するため、1枚のコアの厚みを10mmまで薄くでき、コイルの1セル辺りのインダクタンスは10nHになる。また、インピーダンス整合を取るために各セルに100pFのセラミックコンデンサを接続する。試験機を作成し、パルス応答等の特性試験を行った。電気回路シミュレーションではパルス応答の上限は10nsecであるが、測定結果は50nsecであった。この不一致の原因究明のためのさらなる追試験を行った。本論文では、電磁石設計と試験結果の詳細を報告する。